落ちる中間層

ホワイトカラーの没落、と題した特集記事が、週刊東洋経済、2006年12月9日に記載されています

久しぶりに内容が充実していたので面白く読ませてもらいました。

概要

・格差拡大の主犯格は小泉改革ではなく、「グローバル化」と「IT化」の巨大なうねりである。
 (小柳:はい、そう僕も確信しています。つまりグローバルなフラット化始まっているのです。)
・そのキーワードが”オフショア”である。
 (小柳:現在、IT周りで動いている技術は、このオフショアを推進するための技術であると言って過言ではないと思います。SOA, EoD, ECLIPSなどまさにそうだと思っています。)
・つまり第三次産業革命が始まっている。(工業からサービス業へ)
・これが米国を中心に激しく動いている。
 (小柳:IBMなどが推進しているソフトウェア関連技術などはまさにこれを念頭とした戦略の上で動いている、と思っています。)
・具体的な例として、マニアル化できる経理、財務、人事などの業務が中国やインドなどにオフショアされている。それにより単にマニアル化可能仕事に胡坐をかいてきたホワイトカラーは仕事を失う。
・工場などを海外で作るのと、このようなサービス業を海外でオフショアするのとでは決定的な違いがある。それは、規模がはるかに大きいこと、そしてそこでのアウトプットが前者は現地で販売し、自国の外貨収入になる(車の生産を考えれば分かります)のに対して、後者であるサービスのオフショアは、そのアウトプットが自国に戻ってきて初めて役に立つことである。つまり、そのような仕事をしているホワイトカラーの人たちは職を失うが、その企業製品の生産効率化による世界レベルでの商品価値が向上する、という点である。
・このような話は、ソフトウェア構築などの広い範囲で起きている。
・このような現象は英語圏を中心に起きている。
・従って、日本語しか使えない日本は、その波がまだ非常に小さいが、小さいからと言って、安心できるものではない。つまり、日本製品の競争力がなくなることを意味する。
・この様な変化がこれから数十年間続き、今とは全く異なる世界レベルのフラット化出来上がる。

小柳:このような流れに日本が果たしてついていけるのか、そのための教育体制を持っているか、あるいは意識して作ろうとしているか、が最大の課題と思いますね。日本国内でしか通用しない受験勉強で大切な時間を費やしていいのか、という深刻な問題を今の、そしてこれからの日本が抱えていると思うのです。