「翔が如く」を読み終えて

司馬遼太郎全集 第35巻から第38巻まで続いた「翔が如く」を読み終えたことになります。

明治維新から明治10年までの歴史を西郷隆盛大久保利通の二人を中心とした舞台から眺めた本としてこれほどの作品を僕は他に知りません。

司馬遼太郎は4年以上の期間をかけて書き上げた、と言っていますが、その膨大な資料に基づく緻密な構成と確かさは、司馬さんならでは、と思います。素晴らしい作品ですね。

それにしても、この明治10年までにほぼ出来上がった"官"体制、つまり太政官による体制は、内務省と陸海軍が戦後に解体されましたが、残りの全てが、現在の"官"体制に引き継がれている、というのが現在である、という認識を持つためには、現代日本人の必読書であるかもしれません。

また、そのように認識することにより、昨今の官の言動や動きが少し理解できるような気がします。