第39巻は「空海の風景」
司馬遼太郎全集 第39巻 (39)
初めてこの物語を読んでから、僕の体の中に空海がある形として少し出来上がったのは確かなような気がします。。それ以前は、単に名前としての空海・弘法大師として頭の中に存在していたに過ぎなかったのが、司馬遼太郎の作品を通してかすかな形を成し、そして僕の中に存在していたかなような気がします。それから空海が関わったとされる各地を訪れました。2年ほど前の夏、室戸岬の洞窟を訪れたのは1つの思い出になっています。この日本の果ての室戸に辿り着いた空海が、そこに空海を待ち構えていたかのよう存在していたかのような洞窟に出会ったときに、空海は誰かに守られているかのように感じたのではないかと思ったりしました。洞窟の中から太平洋を眺めた時、そこに空と海しか見えない風景が、千年前となんら変わらないと思うと、感動を覚えたことを思い出します。
空海の洞窟
空海の洞窟
空海の洞窟
高野山山道