司馬遼太郎全集 第43巻
菜の花の沖 その2
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高田屋喜兵衛が蝦夷地で活躍する姿が鮮明に描かれています。
松前、函館、様似、クナシリ、エトロフ、、、を舞台にした船頭としての喜兵衛の風景が素晴らしい。
30年ほど前、3か月ほど函館に居たことがあります。その頃、高田屋喜兵衛の事を知りませんでした。詝高田通り”が、高田屋喜兵衛に由来しているとは全く知らずにその通りを歩いていた自分を思い出します。丁度、函館ドックが倒産した時期でもありました。
菜の花の沖を読んでいれば、僕の中の函館の風景が今とは違った形で構成されたかと思うと残念でもあります。
単なる物理的な地形や建造物が、風景としてどのようにその人の心に残るかは、その人の意識・知識に深く関わることを今更ながらに痛感したりします。
今年の夏、北海道をドライブする予定ですが、クナシリやエトロフ、そして喜兵衛が切り開いた国後水道を遠望できればと思います。