司馬さん最後の小説“韃靼疾風録”

KeiichiKoyanagi2008-05-11

司馬遼太郎全集〈52〉韃靼疾風録
1998
文藝春秋
司馬 遼太郎

この司馬遼太郎全集の68巻をまとめて購入し最初に読んだのがこの“韃靼疾風録”でした。それまで読んでいなかったのです。その後、本全集を第一巻から読み始め、この“韃靼疾風録”にまたたどり着きました。振り返ると、3年の中断を含め長い年月がかかったものです。

この“韃靼疾風録”が、司馬さんの最後の小説であると思うと考え深いものがあります。どこかで、司馬さんが“小説を書くのはもういいでしょう。許してもらいたい”というようなことを書いていたことを思い出します。御苦労さまです。素晴らしい沢山の司馬さんの小説に出会えてとても幸せでした、という思いを抱いたことを思い出します。そして今、その気持がさらに深くなっているのを感じる次第です。

この作品も当然のことながら司馬さんの作品らしく壮大な物語になっています。しかもロマンあふれる作品になっています。どんどん引き込まれている自分を感じつつ心地よく読ませてもらいました。



桂庄助は、生月島平戸島の間に停泊していた明船にのり韃靼に向かった。


平戸城


天下第一関である山海関


そしてその周辺



桂庄助は、清の軍隊と共に韃靼の地から山海関を抜けて紫禁城に入った。