越前の諸道

司馬遼太郎全集〈57〉街道をゆく(6)にあります。

司馬遼太郎は昭和55年に九頭竜川沿いに越の国を旅しています。私は、司馬さんがこの街道を書く少し前の学生時代、つまり昭和50年頃に、金沢、東尋坊永平寺を旅しました。しかし、当時、九頭竜川と三国湊を意識することなく歩いていたことが気になっていました。そのため、本書に初めて出会ってからの長い年月、九頭竜川と三国湊、そして丹生群に広がる山並みを見たいと思い続けていました。そんな折、2005年8月に、埼玉にある自宅から仕事場がある北九州へのドライブで能登半島を旅する機会を利用して九頭竜川日野川足羽川が築いた三国湊を訪問する機会を得ました。古代から北前舟全盛期まで栄え、今は越前蟹のメッカとなっている三国湊から海岸沿い走り、丹生群に広がる山並みの美しい景色が連続する越前海岸に圧倒されながらドライブを楽しんだことを思い出しながら、久しぶりに本書を読ませてもらいました。



三国湊



越前海岸