中国・江南の道

司馬遼太郎全集〈58〉街道をゆく(7) にあります。

何十年か前に本書を初めて読んだ際、まだ僕にとって中国は近くて遠い国でした。そのため本書を読んでも単なる物語程度にしか感じなかった記憶があります。

しかし、その後何度か中国を訪れ、今では中国各地からの留学生に囲まれて過ごしている中で本書を読むと風景や人物が実感として感じている自分を面白く思いながら本書を楽しみました。


ただ、司馬さんが歩いている江南の道を訪れたことはありませんが、中国側から見た司馬さんの日本歴史観に今更ながら感動さえ覚えてしまいます。

特に、中国の宋時代に相当する日本の平安、鎌倉、そして室町への時代の流れの中での平氏、源氏と庶民の時代の機運を短いながら地球規模の流れの中で見事に描いている、と思いますね。