北のまほろば

龍飛崎

龍飛崎
龍飛崎から十三湖への道を望む

司馬遼太郎街道をゆく』全43巻の中で、このタイトルが一番気に入っています。そして、1997年7月に初めて三内丸山遺跡を見てさらにそう思いました。司馬さんがこの巻をほぼ書き終えた頃、三内丸山遺跡の発見が報道されたのではないかと思います。

そして、この夏、青森をドライブする機会を作りました。

三度目の三内丸山遺跡を楽しんだ後、吉川英治が利用したという温湯温泉にある温川山荘に泊まりました。次の日、司馬遼太郎が夏に旅をしたコースになるべく沿ってドライブを楽しみました。青森市から津軽半島の外ケ浜にある蟹田義経伝説の残る三厩津軽半島北端の龍飛崎を訪れ、そこから小泊を経由で十三湖、そして五所川原を訪れました。私は、その後、弘前を経由して秋田県の角館へのドライブを楽しみました。日本の沿岸防御法に悩む吉田松陰が立った龍飛崎から津軽海峡を眺め、近年までソビエト原子力潜水艦が忍んでいたことをなどに思いをめぐらしながら美しい景色に感銘する自分がそこにいました。龍飛崎から十三湖への道もまたすばらしい。13世紀に栄え、今は忘れられた津軽安藤氏が築いた中世の貿易港である十三湊を偲ばせるものは、その十三湖の姿以外なにもない風景に思いをめぐらせることができたのは幸せな旅でした。
 http://www.koyanagi-lab.org/koyanagi/pleasure/travel/index.html

      小柳恵一