ペンローズの仮説

を引用する本を何冊か読むにつれ、そのペンローズの著書を読みたいと思っていました。その前に、竹内薫氏と茂木健一郎氏が訳・解説をしてくれている"ペンローズの“量子脳”理論―心と意識の科学的基礎をもとめて"を先ず読んでみました。

実に知的刺激を受けました。いい本です。

意識とは何であるか、という現代の最大の課題の1つを考える上で重要な仮説であることは確かですね。現代物理学の観点から捉えようとするペンローズさんの提案は実に面白いです。

上記本は、ロジャー ペンローズの仮説を竹内 薫, 茂木 健一郎が訳し、そして自らの意見を含めて展開してくれているお陰で、私は大変面白く読むことができました。そして、真の科学的提案とは何であるかを、この本を通して何かを感じた思いがしました。茂木健一郎が本書で述べているように、ニュートン物理学やアイシュタインの相対性理論が真実であるか、虚であるかに多くの時間がかかったように、ペンローズの仮説にも多くの時間が必要であることは確かですが、その仮説により更なる進歩がもたらされるからこそ、その提案は真に科学的な行動であると思いますね。そして、ニューロン物理学を真に最初に理解したのは、ニュートン本人ではなく、アイシュタインであったように、その仮説や提案の問題点・限界を理解した時に初めて、その仮説や提案を理解できたと言える訳ですね。現代の量子力学が、現状で問題がない、というホーキングの指摘は、もしかしてホーキングさんの理解の限界を示しているのかも知れません(私もどきがいう話ではありませんが)。"意識"は計算不可能問題である、との立場から、量子力学、つまり量子重力力学的新たな革新が必要である、とのペンローズの指摘にただただ刺激を受けたしだいです。さらに勉強をさせて貰いたいと思ったしだいです。素晴らしい本でした。これをトリガに、ペンローズ氏の資料を勉強させてもらいたいと思っています。