司馬遼太郎全集 第42巻

菜の花の沖 その1
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この本を読んでいると日本の美しい海岸風景が次々と脳裏に浮かんできます。淡路島をはじめに、瀬戸内海沿岸、馬関海峡を過ぎて響灘を回り、角島、日御崎、隠岐島、出雲、敦賀、酒田、男鹿半島、秋田などの日本海沿岸や、紀伊半島の潮岬、鳥羽、伊良湖岬遠州灘鹿島灘那珂湊などが浮いてきます。ドライブで眺めた内陸側からの風景にフェリーから眺めた海側からの風景が加わります。日本の風景は美しい。

それにしても司馬遼太郎は船が好きなんだと今更ながら思わせる物語です。「竜馬がいく」の作品でも船の知識に感心したことを思い出します。そして、この菜の花の沖で司馬さんの海や船への深い思い入れを感じたりしながら楽しく読める物語です。

人の営みの素晴らしさを高田喜兵衛を通して司馬さんが語ろうとしているように思える作品です。