Not Even Wrong

副題:The Failure of String Theory And the Search for Unity in Physical Law

Peter Woit著

Lee Smolin やRoger Penrose が推薦する本だったので読んでみました。面白い本でした。こんなに徹底的に超ひも理論を否定しているとは思いませんでした、ここまで言い切るとまた痛快でもあります。

著者であるPeter Woit は数学者の立場で量子論を捉えながら歴史的背景を基に述べ、なぜ超ひも理論とそれが目指そうている統一理論が失敗したかを述べています。

最後に物理学者に超ひも理論とそれが目指そうている統一理論て展開されてきた彼らのイデオロギーを捨てさえすれば、そのようなイデオロギーに囚われてこなかった物理学者と数学者が進めている新たな展開がすでに進んでいることに気がつく、と強調して本書を終えているのが印象的でもあります。

Brian Greeneが書いた『エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する』とは全く異なる立場で書いた本なので、両方を読むことが必須だと思います。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794211090/mixi02-22/

さらに両著書の中間的な位置として書かれているLee Smolin氏の著書、『The Trouble With Physics: The Rise of String Theory, the Fall of a Science, And What Comes Next』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0618551050/mixi02-22/
の三冊を読むと現代物理学の現状をバランスよく把握できるのではないかと思います。