項羽と劉邦 その1

司馬遼太郎全集 第45巻
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司馬遼太郎は、多分、『史記』と『漢書』に記された事歴であるいくつもの点を、当時の人々を取り巻く環境、思考法、倫理感、そして景色を創造し風景として書きあげているのだろうと思います。時には、本文に司馬遷の意見を書き、それに司馬遼太郎の意見を鋭くぶつけこの物語が展開される小気味よさにいつの間にが自分が巻き込まれているのに気が付きます。

多くの日本と日本人の風景を描き上げてきた司馬さんが、その原点を求めた1つの行動のようにも思えるのです。

読んでいると、どこかで記憶のある人物が名を変えて物語で表現されているように思えます。信長がいれば、秀吉もいる、家康も、隆盛や秋吉兄弟も、、、いるように思えてきます。

いい作品です。