串木野散歩

1600年頃、串木野に上陸した朝鮮からの43人陶工達の見た風景を観たく立ち寄りました。

串木野の海岸は、司馬さんの‘故郷忘れがたき候’の舞台になったところです。司馬さんは、死んでから100年くらいしたら小説として書ける、というようなことをどこかで書いていた記憶があります。この‘故郷忘れがたき候’で中心的に描かれている方はまだご健在なので、司馬さんの作品としては大変珍しいものかもしれません。生きている方を書く、というのは大変難しいらしく、やはり小説にはなりえず、いろいろな方からの批判も多くあります。しかし、そこに書かれている朝鮮からの陶工達の話は司馬さんらしい作品になっています。その舞台風景が見たく、今回、串木野で泊まりました。

死んで100年以上経って司馬さんが創り上げた‘坂本竜馬’は絶賛され、司馬竜馬が独り歩きしているのに比べると、まだご健在の方を中心に描いた‘故郷忘れがたき候’がいろいろと批判されている状況や、それら人間模様を眺めているとまた面白い感じがしますね。