指宿/山川港と根占港間の海道をゆく

西郷さんは、薩摩に戻った後、猟三昧で町にはほとんど戻らなかったようです。その猟場としては薩摩半島の鰻温泉と大隅半島の根占を拠点に楽しんでいたようです。そしてその二か所は、薩摩湾を行き交う船でちょうどいい場所なんですね。それをここでは‘指宿/山川港と根占港間の海道’と呼んでみました。

この度のドライブで僕もフェリーで渡ってみました。相当昔から、この船便がある、と地元の人に教えてもらいました。佐賀の乱で敗れた江藤新平が鰻温泉に居た西郷さんを訪れた後、早朝にこの港まで送って貰った場所でもあります。

西郷さんが、薩摩の町に寄ることなく2つの猟場を行き来できるのです。町に群がるある種の熱気を避けていた気持ちが伝わる思いがします。西郷さんは明治維新もそのような熱気を戦略的・戦術的に利用し革命を起こしましたが、2度目の熱気は避けることのできなかった熱気に身を任せたように思えます。1万数千のエネルギーにーと共に消滅した時が、日本官僚主義の始まりであるとともに、それ以後の日本国内における力強い野党の存在の消滅につながったように思えて仕方がありません。それにしても考えれば考えるほど不思議なことばかりです。また、それが面白くもあります。


薩摩半島を眺める。開聞岳が背後に見える。


大隅半島にある根占港が見える。この町並みの中に西郷さんの宿がある。