世界が変わる現代物理学

2004
筑摩書房
竹内 薫

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480061932/mixi02-22/

竹内氏が著した本を一通り購入して少しずつ乱読していますが、この本が今までの中で一番、現代物理学の観点で竹内さんの科学思想に関する考えを最もよく表現していると思います。

本書で一番の勧めは、数十ページからなる“おわりに”にあると思います。僕自身日頃悩んでいたことを見事に表現してくれた、とさえ思いました。

また、本書を若い人に読んでもらいたいと切に思います。現代物理学を理解する、というより雰囲気を感じてもらうためにはいい本だと思います。

竹内さんの本は通常超ひも理論の立場で書かれていますが、本書はループ量子重力学の立場から書かれています。それがこのようないい流れの本になった1つの要因ではなかったかと僕には思われて仕方がありません。

若い人に宇宙、空間、時間などの日頃何気なく見逃している基本問題、つまりそれらは人間とは何であるかの根本問題でもありますが、それらを少し考えてもらうためにはいい本だと思います。

なお、本書で新たに定義でしている“SF”の表現は少し問題があるように思えるのですが、それは非常に些細な問題かもしれません。