超ひも理論を疑う―「見えない次元」はどこまで物理学か?

2008
早川書房
ローレンス M.クラウス, 斉藤 隆央

内容が中途半端だと思います。

素粒子理論の観点からひも理論/M理論余剰次元の話などを展開しています。しかし、それらに関して本書よりもいい本がいまではいくらでもあります。

さらに本書の中心的課題である“ひも理論を疑う”という点に関しても明確さに欠けています。単に問題点を指摘するのであれば、Lee Smolin著書のThe Trouble With Physics: The Rise of String Theory, the Fall of a Science, And What Comes Next 
  http://mixi.jp/view_item.pl?id=764409 の方が内容が充実して面白いですし、余剰次元の観点からの指摘であればリサ・ランドール著の“ ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く”をお勧めします http://mixi.jp/view_item.pl?id=843415

また、 超ひも理論を疑う、と言いながらどこにも“ループ量子重力学”に言及もしていなけらば、量子情報理論の観点からの言及もないのが不思議でもあります。