華厳経哲学をいまふうに捉えてみました。

華厳経は2つの哲学から構成されています。

 ・重々無尽
 ・一即一切、一切一即

華厳経は、釈迦哲学を受けて中央アジアで構築された哲学です。そう古い哲学ですね。

僕は昔からこの二つの言葉をなにげなく眺めていたのですが、最近この2つの言葉に打ちのめされています。釈迦が説く哲学は宇宙の真理を説くものですが、上記2つの言葉が、現代物理学が漸く到達しようとしている仮説とあまりに同じことを言い表していることに驚いています。

・重々無尽 を現代物理学で表現すると以下のようになります。なお、僕は現代物理学の素人です(笑)

 アインシュタイン一般相対性理論が示しているように時空は相対的であり、二次的なものであり、絶対的に存在するものはでない。そしてこの宇宙にあるすべてのものが因果関係により結ばれている。インフレーション宇宙論やVSL理論が示すように宇宙は無から誕生したものである。さらにVSL理論が示すようにその誕生の瞬間の光の速度は現代の光の速度の10の32乗倍の速度で広がり、宇宙に存在するあらゆるもの、すべてのクオーク、陽子、中性子、電子、光子などの10の80個の原子の間の因果関係を保ったままこの宇宙が出来上がった・・・・・、というような表現になりますね。華厳の云うように真理は光明にある、ということになります。

 ・一即一切、一切一即  ですが、これは上記表現にも含まれています。

あらゆる空間をプランク長さ、プランク時間まで小さくしていくと、そこには無限に近い膨大なエネルギーが存在しえる。宇宙はその無から生まれたのです。そして真空でさえも、そこにはエネルギーが発生している。宇宙を理解することは、もっとも小さなプランク長さやプランク時間を理解することであり、それらプランク時間プランク長さを理解することがこの宇宙全体を理解することになります。