奈良散歩

KeiichiKoyanagi2008-12-09

久しぶりに”奈良散歩”を読みました。


司馬遼太郎全集〈57〉街道をゆく(6)にあります。

司馬さんは興福寺、そして東大寺界隈を歩き、二月堂の修二会の話で作品を終えています。

僕の好きな散歩道です。

東大寺南大門をくぐり、鏡池を右に折れて小高い丘を登り二月堂へと向う道が気に入っています。

今でも、そこを初めて訪れた中学時代の感動を忘れないでいます。

それから何度もこの道を歩いています。昨年も歩きました。そして今年も歩きました。また、10年ほど前は、1週間ほど近鉄奈良駅近くのホテルに泊まり、南大門の脇にある建物に毎日通ったことがあります。その際は、暇を見つけては同じ道を歩きました。

長い石段を登るにつれて、大きな釣鐘が石段の上に現われてきます。



振り返れば、東大寺大仏殿の東側面を木陰の中に見る事ができます。


その石段を更にあがると三月堂の美しい景観が前面に広がってきます。石段を登りきれば、二月堂、三月堂そして四月堂に囲まれた空間に自分が包まれていることに感動を覚えます。滲み出た汗をふき、二月堂へあがると、大仏殿の屋根から吹き上げてくる風を全身に浴びて、この小さいがとても美しい世界を体中で感じとることができる幸せな瞬間があります。

二月堂を降り、石塀に囲まれた小道をあるいて鏡池へとつながる静寂に包まれた小道から振り返ると、そこには奈良時代とさほど変わらない風景を見ることができるうれしい場所です。


世界に自慢できる空間だと僕は思います。

いつか二月堂の修二会を観たいと思います。