中国・ビンのみち

司馬遼太郎全集〈58〉街道をゆく(7)
にあります。

かつての世界の港の1つとしてマルコ・ポーロが東方見聞録で書いている福建省を中心に司馬さんは歩いています。


台湾の対岸になる場所であり、日本の室町・鎌倉時代に盛んに泉州堺との間で交易が行われた場所を日本やヨーロッパ、そしてアラブとの関わりについて語りながら歩いています。


日本人は、奈良や平安時代に関わった唐を中心としたシルクロードに想いを抱きがちであるが中国人やヨーロッパ人はこの福建省にある泉州の港を中心としたヨーロッパの大航海時代以前の中国とアラブを中心とした航海時代に想いを寄せる旨を書いています。

この福建省を中とした日本の鎌倉・室町時代、さらにはアラブ、イスラム世界との関わり、そしてヨーロッパの関わりから現代の台湾につながる時間的、空間的な広がりに引き込まれなる思いがします。いい作品です。