オランダ紀行

KeiichiKoyanagi2009-04-28

司馬遼太郎全集〈61〉 街道をゆく(10)
文藝春秋 1999年8月
にあります。


司馬さんが週刊朝日に“オランダ紀行”を連載しはじめたのが、1989年12月1日号です。僕が、初めてオランダを訪れたのが1987年4月1 日でした。アムステルダムそしてハーグに泊まり、休日にはオランダバスツアーを楽しんだことを思い出します。

司馬さんの作品には、オランダに関わるいろいろな話が出てくるものが少なくない、と思います。今、頭に浮かぶ情景だけでも限りなくあるような気がします。作品、胡蝶の夢などは、オランダの影響そのものを作品にした、と言っても過言ではないと思います。

そんな関係からか、本作品は、司馬さんのオランダへの熱い思いで沸騰しそうなほどです。ちょっと盛りだくさんすぎるかな、と思えるほどいろいろな話が出てきます。しかし、司馬さんの思いは、読む人にしっかりと伝わる作品になっていると思います。

司馬さんも、アムステルダムの街を散歩しています。僕も、アムステルダムの朝、運河沿いの散歩を楽しだことを思い出します。カモメがある場所で群がっていました。老人がパンクズを餌として与えていました。静かな景色の中で、そこだけが賑やかでした。私は、カメラのシャッターを何度も切りました。今、そのアルバムを見ても楽しい。

それ以来、僕は、オランダへは行っていません。何年か前に、ベルギーのブリュッセルから車でブルージュに向かった時、車窓から見た景色に遠く、オランダの風景を望んだ時、“オランダ紀行”を鞄に入れてまた行きたいと思った事を思い出します。