本郷界隈

KeiichiKoyanagi2009-07-07

司馬遼太郎全集〈63〉街道をゆく(12)
1999年 文藝春秋 にあります。

1999年10月に司馬さんの本作品を手に本郷界隈を歩いた時に記した記録を以下に再掲します。
ーー再掲ーーー http://www.koyanagi-lab.org/koyanagi/pleasure/trip/index.html

私が生まれ育った東京でこの楠木に回り逢えたのをうれしく思いました。司馬遼太郎が歩いた道に沿って私も歩きました。無縁坂を不忍池から昇り、切り通しの道を通って湯島天神へ。本郷三丁目の交差点に建つ"かねやす"を左に見てそのまま歩き、何気なく左に曲がった先からこの大木をのぞむことができました。この一年間に、偶然にもこれほどの楠木に三度出会うことができました。一度目は昨年の暮れに出会った大宰府の楠木、二度目は夏休み旅行での善通寺の楠木です。司馬遼太郎は、さらに鹿児島は蒲生の楠木がこれらに匹敵する古木だ、と書いています。私は、まだ、この蒲生の楠木に出会った事がありません。本郷の楠木は600年の年月ここに立っています。今は、フランス料理楠亭の庭先としてビルの谷間に立っています。司馬遼太郎が、この界隈を歩き始めた日の昼食と、最後の日の昼食をこの楠木亭で食事をした、と書いてありました。私がこの楠木の前に立った時が昼食時だったのですが、残念なことに、この楠木亭は日曜、祭日は休みとのことでした。私が散歩した日はあいにく10月10日日曜日でした。サラリーマンにとってここで食事をする機会を探すのは少し難しいかもしれません。しかし、見るからに入りたくなるお店でした。是非、この楠木を目のおかずにしてもの思いにふけながら食事をしたいと思います。この日の散歩の終着点は、伝通寺でした。