ループ量子重力入門―重力と量子論を統合する究極理論

竹内薫

いい本でした。

いろいろと夢想にふける楽しみを与えてくれました。

頭の中は、情報処理・情報ネットワーク分野にうまく適用できないか、思いながら読みました。

・・・・・(夢想の1つ)一般相対性理論による重力の歪を検出するためにジャイロを地球の周りを飛ばして計測する。角運動量保存の原則に基ずくジャイロの運動からのずれを測定することにより、その歪を計測する。その考えを時空への量子論の適用に展開する。そこではジャイロではなく、スピンを用いる。そのスピンが、量子化され泡となった時空を計測する。しかし、その発想をさらに展開して、そのスピンを形成するノードとリンクが基本的な要素であり、時空はその結果としての二次的な産物として捉えるスピン・ネットワークの仮説、つまりループ量子重力論が、超ひも理論と同じように、半古典的手法を用いて導き出したブラックホールに関するホーキングの法則を説明しうる、という一連のストーリに感激を覚えました。うーーん、情報からなるインターネット時空にあてはめて考えられないか、とね。スピンは、ベクトルの平方根として求まる。そしてベクトルは360度で一周し、スピンは、720度で一周する。そのスピンがブラックホールの表面積に比例するエントロピを計算可能である。つまり情報を求めることができる。

ーーーーー今の情報空間から目当ての情報を得る、つまり検索をする、というのは、空間に存在する情報の揺らぎを検出しているにすぎない。つまり、情報からなる知識は、その情報空間の揺らぎ、歪として検出される。これは現状のベクトル演算、つまり統計情報の算出による情報検索システム技術そのものですね。つまり、一般相対性理論レベルの物理的な空間の重力の歪を検出するために角運動、つまりベクトル運動の揺らぎで検出することに相当する、と考えると。その空間に量子論的見方を加えるには、スピン、つまりベクトルの平方根を求めればいい、ということになります。

ーーーーーーうーん、何か、面白い展開はできないかな?情報空間の基本的要素はノードとリンクからなるスピン・ネットワークであり、それらの2次的効果として情報空間が形成される。そのスピン・ネットワークさえわかれば、情報を求める・検索できる。そのスピンを形成するノードとリンクをどのように求めるか?単なる統計情報を算出したベクトル情報の平方根として求まるとは思えないですね。何か一工夫が必要・・・。

・・・・・夢想その1終わり。