五家荘にある茶屋で

小雨の降る峠道を何とか登りきった山頂に東山本店と書いた茶屋がありました。

ホッとした気持ちで峠の茶屋に入り、山菜うどんを注文しました。

茶屋のおばさんA:
『こんな車でよく登ってきたね。驚いたよ。私は軽を使っているけど、ほらボコボコだよ。』

僕:
『いやーー。すごい道ですね。四国の祖谷渓谷や高野山の裏の道もこんな峠道があるけど、こんなに長くまた急な坂道ではなかったですね。これには驚きました。もうこの道はしばらく走りたくないですね!』

茶屋のおばさんA:
『えっ、でも、これから戻るんだろ?』

僕:
『いや、五木を通って人吉へ行きます。』

茶屋のおばさんA:
『えっ、そっちは長い間全面通行止めだよ!!』

僕:
『えーーーー、本当ですか?』

茶屋のおばさんA:
『ちょっと待って、聞いてあげる。』

茶屋のおばさんBを連れてくる。

茶屋のおばさんB:
『毎日午前中の10時から10時半までなら通してくれるよ。』

僕:
『今、9時50分だよ。間に合うかな?』

茶店のおばさんB:
『ここから15分先のところだから間に合うよ。』

僕:
『うどんを食べる時間がないな・・・。』

茶屋のおばさんA:
『いいよ私がたべるから早く行った方がいいよ。』

僕:
『人吉への下り道は、こちらの上り道よりも楽ですか?』

茶屋のおばさんA:
『私は、人吉への道を走ったことがないから分からないよ。』

茶屋のおばさんB:
『私は、人吉側への道しか走ったことがないよ。』

僕:
『えーーー。そうなんだ。まぁ、兎に角、急いで行きます。ありがとうございます。』

こんな風景がまだ日本にあるのかと・・・・。今、思うと不思議な世界に踏み込んだような気がします。


絶対絶命(峠の茶屋から五木への途中)