丹波篠山街道

KeiichiKoyanagi2008-05-31

司馬さんの”街道をゆく”の作品には宿泊施設の具体的な名前は記載されていません。この丹波篠山街道でも宿の簡潔な状況が表現されているだけです。篠山市の由緒正しい宿、というような表現などです。

今回、篠山市の旅館を予約するにあたり、このヒントだけをたよりに予約しました。明治時代からある旅館、ということで潯陽楼を予約し今回の旅に出かけました。

1972年頃の司馬さんが辿った道に沿って僕はドライブを楽しみました。老ノ坂を抜けて亀山市へ。老ノ坂峠近くにあるトンネルの入口から旧道に別れます。旧道はあまりに狭く急なために車窓の左に見ながら通り過ぎました。そこから亀山城に寄り散策をした後、篠山へ。丹波篠山街道を楽しみました。

篠山市の宿に入って女将に最初に尋ねたのが、司馬さんが30年ほど前にここに泊まりませんでしたか、ということでした。まるで昨日の事に様に明確に答えてくれました。はい、そうです、と。そしてその泊まった部屋に案内されました。

その部屋の表通りに面した窓を開けると、そこに猪の肉を商う専門店がありました。僕はもう忘れていたのですが、司馬さんは、その作品の中で、窓から見ると、そのお店の前に猪が横たわっていた、というような事を記してしる、とのことでした。

今は、猪の時期ではないので、お店はやっていませんでしたが、旅館に頼んで夕飯は丹波篠山牛を使った懐石料理から牡丹鍋に変更してもらいました。そして、その夕食を司馬さんが泊まった部屋でいただくことができました。嬉しいことです。

丹波篠山市には今でものどかな町並みがあります。観光用に作られた町並みではなく、そこに生活を感じる昔ながらの町並みがまだ残っている静かな町でした。




明智光秀の築城による亀山城
現在は、宗教法人大本の敷地内にあります。



潯陽楼


司馬さんが泊まった部屋の向かいの猪肉屋


篠山城


篠山市の町なみ


篠山市の町なみ