佐渡のみち

今年の夏、初めて佐渡島に渡りました。

司馬さんの作品“胡蝶の夢”は、佐渡真野湾に面した恋が浦から物語が始まります。その真野湾を観たいと思い、佐渡に来ました。

司馬さんは、街道をゆく佐渡のみち”で佐渡空港に降り立ちましたが、僕は新潟港からフェリーで両津港に入港しました。

両津港。右手に小佐渡山脈が見える。


司馬さんと同じように国中平野を東西に走る350号線を西に行き、真野湾に沿って南北に通る旧相川街道に入って南に走り、小木湾を訪れました。昔、相川の金山から相川街道を運ばれてきた金を積み出した港である小木湾でたらい船に乗り遊びました。愉快な乗り物でした。

小木湾に浮かぶたらい船。


小木港で昼食を済ました後、昔の北前舟が入港した頃の面影が今も残る宿根木の町を訪れました。途中、司馬さんが昼食を食べた蕎麦屋さんが小木湾の近くにありました。なんだかお店が立派になっているようです。繁盛しているのかもしれませんね。司馬さんが旨い蕎麦である、と日本中に宣伝した訳ですからね(笑)

司馬さんが蕎麦を食べたお店。


宿根木の港。船を結んだ御影石で出来た杭が今でもあります。御影石北前船尾道から運ばれたものです。


宿根木の町を案内してくれたボランティアの中学生です。いい子でした。

宿根木から旧相川街道を北に上り、かつて繁栄した相川の町に出て、そこから右に折れて山を登ると佐渡金銀山があります。途中、司馬さんが訪れた蓮華峰寺や倉谷の大わらじがあります。

倉谷の大わらじが旧相川街道沿いにありました。


佐渡金銀山。左右に幾つもの坑道があります。


公開されている坑道。


坑道の中にはいろいろなデモがあり、石見銀山よりも楽しく見学ができます。

この日の宿は、真野湾に面した浦島Ryokanに泊まりました。司馬さんらもこのあたりの宿に宿泊したようですが、どの宿かは分かりませんでした。

真野湾。恋が浦。


浦島Ryokan。奥に見えるのは真野湾です。

次の日、旧相川街道沿いにある司馬凌海の誕生地を確認しながら帰りのフェリーに乗り込むために両津港に向かいました。司馬凌海、つまり伊之助は、“胡蝶の夢”の主人公の一人です。