紀ノ川流域

司馬遼太郎全集〈第62巻〉街道をゆく(11)
文藝春秋 1999年9月
にあります。

司馬さんが本シリーズで歩いている日本国内を僕は、ほぼくまなく辿っているのですが、この紀ノ川流域をまだ歩いていません。

つまり根来寺和歌山城そして日前国懸神宮を訪れたことがありません。この東西一直上にあるこの場所を南北に走る阪和自動車道を何度となく走っているのですが、そこへ下りたことがないのです。

先日、阪和自動車道を北から南に走った際に、根来寺に寄りたいと思いながらやはり通り過ぎてしまいました。

司馬さんは、根来寺を通して戦国時代の人々の心の動きを、当時の経済活動の高まりを含めて語っています。なぜ、種子島にたどりついた鉄砲が日本であれほどの刺激になったか、そして同じような鉄砲が辿りついた中国や朝鮮で日本のような大きな変化が起きなかったを、当時の政治や経済の違いから分析しています。

そして、和歌山城を普請した藤堂高虎を通して日本の石垣の技術の広がりと、日前国懸神宮の紀氏と出雲神社の千家氏、そして天皇家の三氏を通して日本の国造時代、大化の改新の頃を、当時の政治と経済を通してを語っています。